翻刻
かはすれ共かひなしと思へとも霜月極月の
ふりこほりみな月のてりはたゝくにもさはら
すきたり此人々あるときは竹とりをよひ出し
てむすめを我にたへとふしおかみ手をすりの
給へ をのかなさぬ子なれは心にもしたかえ
すとなんいはく月日ををくるかゝれは此人々
家にかへて物を思ひいのりをしくはんを立
おもひやむへくもあらすさり共つゐに男あは
せさらむやはと思ひてたのみをかけたりあな
かちに心さしを見えありくこれを見つけてお
きなかくやひめにいふやう御身はほとけへんけの
人と申なからこれ程おほきさまてやしなひ
奉る心さしをろかならすおきなの申さん事
きゝ給ひてんやといへはかくやひめ何事をか
のたまはんことは承らさらむへんけの物にて
侍けん身ともしらすおやとこそおもひ奉れと
いふおきなうれしくもの給ふものかなといふお
きな年七十にあまりぬけふともあすともし
らす此世の人は男は女にあふ事をす女は男
にあふことをす其後なん門ひろくもなり
侍るいかてかさる事なくてはおはせんかく
やひめのいはくなんてうさる事かし侍らん