翻刻
【右丁】
一柚こふ柚子(ゆず)の皮をさとうに二三日/漬置(つけおき)柚子(ゆず)
みそのごとく詰(つめ)るなり
一/作(つく)り山もゝ白みそに葛(くず)と白(しろ)ざとう交(ませ)山もゝ
のかたちに拵(こしら)へ紅(べに)いらこ【注】をつけ南天(なんてん)の葉(は)をさす也
一/巻酢蕪(まきすかぶ)大赤蕪(おほあかかぶ)小口にうすく切り酢(す)に塩(しほ)少し
くわへ漬(つ)け巻(ま)くなり
丼(どんぶり)之部
一/和(やわ)らか煮鮑(にあはひ)白みそ汁(じる)薄(うす)くして大根(だいこん)おろし
入れ煮(に)る也
一さき赤(あか)ゑい赤(あか)ゑいを大切にして煮染(にしめ)身(み)ば
かりをさき盛合(もりあわ)する也
【左丁】
一/平目鉄炮和(ひらめてつほうあ)へ平目(ひらめ)才切(さいぎり)にして赤(あか)みそにて和(あへ)る也
一/二葉焼茄子(ふたばやきなす)なす軸付(ぢくつき)に切り竪(たて)弐(ふた)ッ割(わり)にして
皮(かわ)へかゝらぬやうに筋(すじ)を入れむして金網(かなあみ)にかけ
たまりを入れて焼(や)き花がつほをかける也
一おくれ小茄子(こなす)九月ころの花落(はなおち)なり
一/唐煮(とうに)みり【かヵ】んみりんにさとうを入れ甘(うま)く煮(にる)也
さしみ之部
一/昼夜作(ちうやつく)りなよし名吉(なよし)を三/枚(まい)におろし皮(かわ)を
去り壱枚は皮(かわ)の方より作(つく)り壱枚は身(み)の方より
作(つく)る事也
一/地紙蓮根(ぢがみれんこん)れんこんをにしめて小口よりうすく
【注 澱粉を蒸して乾燥させ、粉砕後着色して煎ったもの】