翻刻
【右丁】
手のひらにてたゝき付け水にてぬらし紙を取り
遠火(とをび)にてあぶる也
一いすら長/芋(いも)長いもをむし皮を去り水能(すいのう)にて
漉(こ)し紅(べに)を練交(ねりまぜ)いすらの恰好(かつこう)にこしらへ南天の
軸(ぢく)をさす也
一/会敷石篭盛(かいしきいしかごもり)こしらへ方/蓮根(れんこん)を壱寸程のはす
に切り皮を去り切口よりうすくむき石籠(いしかご)の型(かたち)に
巻(ま)き何本(なんぼん)なりとも遣(つか)ふべし
一/紅葉(もみぢ)くづしつみ入れのことく魚肉(ぎよにく)こしらへ置(おき)
紅葉(もみぢ)の形(かた)に塩(しほ)をふり詰(つめ)てゆでる也
一/白萩(しらはぎ)しそしその実(み)壱寸五分程つゝに切/葛(くず)を
【左丁】
水にて濃(こ)くときさとう少し入れ右のしそに
つけて遠火(とをひ)にてかはかせば白萩(しらはき)のことく見ゆる也
一うにかまぼこ常(つね)の如(ごと)くかまぼこ拵置(こしらへをき)うにを魚(ぎよ)
肉(にく)にねりまぜ紙にのべ紅(べに)かまぼこのことくする也
一鳥烏玉/百合(ゆり)百合(ゆり)ね白き所ばかりゆで水能(すいのう)にて
こしまんぢう程つゝにして絹(きぬ)に包(つゝみ)丸(まる)くする也
一/雪輪(ゆきわ)くつし魚肉(ぎよにく)常のごとく拵(こしら)へ雪輪(ゆきわ)のかたへ
詰(つめ)てゆでる也
一/水引(みづひき)こんぶ出来合(できあひ)ある物也
一おだまき蓮根(れんこん)蓮根(れんこん)を煮(に)しめ小口より薄(うす)く
五六枚程 切懸(きりか)けにして二つ折(おり)にする也