翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

旅行用心集 - 翻刻

旅行用心集 - ページ 62

ページ: 62

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一熱海の温泉は大 熱湯(ねつたう)にして昼夜(ちうや)に六度 沸出(わきいつ)る也 味(あじわ)ひ  鹹(しほはや)くして其(その)潔白(けつはく)なること鏡(かゞみ)の如し然共此地 海辺(かいへん)にて  潮(うしほ)を交(まじゆ)る故に其(その)気(き)柔(やはらか)にして猛烈(もうれつ)ならず諸病(しよひやう)に効(かう)あり  関東(くわんとう)第一の名湯(めいたう)也 湯宿(ゆやと)数(す)十 軒(けん)各(おの〳〵)樋(とひ) ̄ヲ以 ̄テ大湯を引也又  此地に霊場(れいじやう)勝景(せうけい)多(おゝき)こと枚挙(まいきよ)すべからず就(なかん)_レ 中(づく)日金山(ひかねさん)は天下  の絶景(せつけい)也西南に三保(みほ)の松原(まつはら)富士川(ふじかわ)を見(み)北は富士(ふじ)足高(あしたか)攣子(ふたご)  山東は天木(あまき)嘉貫(かぬき)伊藤(いとう)の諸峰(しよほう)連(つらな)り又 海上(かいしやう)は初島(はつしま)大島(おゝしま)等を  遠望(ゑんぼう)すること編戸(へんこ)の波上(はしやう)に浮(うかむ)が如し凡西国より東国へ  至 ̄ル舶船(はくせん)此(この)洋(なた)を不(すき)_レ過(ざる)はなし其外(そのほか)山禽(さんきん)海魚(かいきよ)名産(めいさん)多く  ありて旅客(りよかく)の有用(ゆうよふ)足(たら)ざる事なし   ○熱海(あたみ)の効(かう)は 中風(ちうふう) 疝癥(せんしやく) 眩暈(めまいたちぐらみ) 痰飲(たんせき) 眼病(がんびやう)   頭痛(づつう) 腰痛(ようつう) 脚気(かつけ) 筋攣(ひきつり) 跌仆(つまつき) 折傷(うちみくじき) 諸虫(むし) 寸白(すんばく)   痔漏(ぢも[◻]) 脱肛(たつこう) 痱痺(はいひ) 疥癬(ひぜん) 諸瘡(しよさう) 淋病(りんしつ) 金瘡(きりきず)   五積(しやく) 六聚([◻◻]へ)但シ腫気(しゆき)あるものは忌(いむ)べし   歯痛(はのいたみ)には湯(ゆ)を口中へいくたひも含(ふくみ)てよし   ○忌(いむ)べき病(やまひ)は 水腫(すいしゆ) 張満(ちやうまん) 癩病(らいびやう) 癲癇(てんかん) 黄痰(わうだん)   虚損(きよそん)等の症(せう)慎(つゝし)んて浴(よく)すべからず   ○脩善寺(しゆぜんじ)は 筥湯(はこゆ) 石(いし)湯 亭(ちん)の湯 新(あら)湯   独鈷(とつこ)の湯等 数種(いろ〳〵)あり温熱(おんねつ)は浴(よく)する者(もの)の心に   任(まか)せ効験(こうのふ)もそれ〳〵にわかれ諸瘡(しよさう)積聚(しやくしゆ)によし