翻刻
けるが近比(ちかごろ)は年老(としをひ)て其(その)つと〳〵に筆取(ふてとる)も物うく
又 其(その)求(もとめ)に応(をほ)ぜんもほひなく是迄(これまて)人々に認(したゝ)め
遣(つかわ)したるを集(あつめ)其上(そのうへ)に又旅の助(たす)けに成べき
くさ〳〵を思ひ出るに任(まかせ)て書つゝり小冊と
なし其(その)攻(せめ)を防(ふせか)む為(ため)に人のすゝむるに従(したが)ひ
梓(あづさ)にちりはめて旅行用心集(りよかうようじんしう)とは名(な)
つくることしかり
文化庚午六月 八隅芦庵
惣目
一 東海道(たうかいだう)勝景(せうけい)里数(りすう) 一 木曽路(きそぢ)勝景(せうけい)里数(りすう)
一 五岳(こがく)真形之図(しんきやうのづ) 一 道中(たうちう)用心(ようじん)六十一ケ条(でふ)
一 水替(みつかわり)用心之事(ようしんのこと) 一 寒国(かんこく)旅行(りよかう)心得之事(こころえのこと)
一 寒国(かんこく)旅具(りよぐ)并(ならびに)図式(つしき) 一 寒国(かんこく)ナテツキ之事(のこと)
一 山中(さんちう)狐(きつね)狸(たぬき)猪(しゝ)狼(おゝかみ)防方之事(ふせきかたのこと) 一 船中(せんちう)用心(ようじん)四ケ条(でふ)
一 船(ふね)に酔(ゑひ)たる時(とき)の方(ほう) 一 駕籠(かご)に酔(よわ)ざる方(ほう)
一 落馬(らくば)したる時(とき)の方(ほう) 一 毒虫(どくむし)を避方(さくるほう)
一 道中(たうちう)泊(とまり)にて蚤(のみ)を避方(さくるほう) 一 道中(たうちう)草臥(くたびれ)を直方(なをすほう)并(ならひ) ̄ニ妙薬(めうやく)
一 湯気(ゆけ)にあかりたる時(とき)の方(ほう) 一 道中(たうちう)所持(しよじ)すべき薬之事(くすりのこと)
一 道中(たうちう)所持(しよじ)すべき品(しな)の事(こと) 一 道中(たうちう)日記(につき)したゝめ方之事(かたのこと)