翻刻
【頭書・右丁】
○らの部
らうだけとは くるしきこと
らうがはしきとは みだれがはしきことをいふ
○むの部
むもれ木とは 人にしられぬことをいふ
むづかるとは はらたつこと
むつまじとは ねんごろなるをいふ
むつの花とは ゆきをいふ
むべとは 道理といふこと
むらさきとは ゆかりのこと
○うの部
うきくさとは うかれたること
うたかたとは 水のあは也
うかれめとは 遊女の事
うらゝかとは はなやかなるをいふ
うの花月は 四月のこと
うつし心とは 狂乱なること
【頭書・左丁】
うなばらとは 海の事
うたこゝろとは うつりやすき心をいふ
○ゐの部 《割書:いの字の|部にあり》
○のの部
のちのあしたとは わかれてのあしたのこと也
のこりぐさとは 菊のこと
のもりのかゞみとは よそに見る心をいふ
○おの部 《割書:をの字の|部にあり》
○くの部
くずのうら風とは うらみをいふことうらはとも云
くだかけとは にはとり也
くれはどりとは あやのこと
くるしきうみとは せかいをさしていふことなり
くだり月とは かたふく月のことをいふ
【本文・右丁】
初(はつ)のせくわざといわい
まいらせ候まゝ昼頃(ひるころ)より
御 子様方(こさまがた)御つれ御入下さるべく候
御 待(まち)申上まいらせ候めて度かしく
○五月雨(さみたれ)見廻(みまひ)の文
【本文・左丁】
かへす〳〵こなたも雨中(うちう)
打(うち)つゝき朦々(もう〳〵)しき御 日並(ひなみ)に
しのきかねまいらせ候ちと〳〵
候へともます〳〵御さへ〳〵敷
おはこひ御まち上まいらせ候かしく
御入のよし御めでたく御うれしく
ぞんし上まいらせ候さては
此 品(しな)少々(しやう〳〵)ながらおくり上