翻刻
【頭書・右丁】
よこ板にかくべし尤
奉書紙にてふちを張
印判おしてあるべし
[婦女(をんな)をしへ草(ぐさ)]【四角枠で囲み】
○姑(しうとめ)の心得(こゝろえ)
それ姑 最初(さいしよ)の願(ねが)ひの
ごとくすれば則(すなはち)姑の
かゞみとなるべし何を以(もつ)て
かくいふぞとなれば初(はじめ)に
姑のねがふ所は子息(しそく)に
娵(よめ)をとりて夫婦(ふうふ)中(なか)よく
させ家(いへ)をおさめさせなば
最早(もはや)うき世(よ)におもひ
残(のこ)すことはあるまじと思ふ
故(ゆへ)に娵(よめ)をむかへて婚礼(こんれい)
も首尾(しゆび)よくすみぬれば
あらうれしやといふその
【頭書・左丁】
舌(した)をひき入れざる内
に忰(せがれ)の気(き)に入さへすれば
理屈(りくつ)いふではなけれども
思ひの外 支度(したく)麁相(そさう)
此方の約束(やくそく)違(ちが)ふなどゝ
いひ又 支度(したく)十分(しふぶん)なれば
娵(よめ)に自慢顔(じまんがほ)見(み)ゆる
など乳母(うば)腰元(こしもと)に囁(さゝや)く
より此ものども追従(ついしやう)
して仰(おふせ)の通(とふり)あのごとくの
お支度(したく)に似合(にあは)ず姑御(しうとご)へ
のみやげもの麁末(そまて)に
見ゆるなどはや譏事(そしりごと)
いひ出すより事おこる
はじめなればこれを慎(つゝし)む
【本文・右丁】
大ふく町 伯父(をぢ)さまへ御めもし
不_レ申 御無沙汰(ごぶさた)いたしまいらせ候
いたし御うわさのみ申
さて〳〵けしからすさむさ
つゞけまいらせ候御 美代(みよ)さま
つよく候へとも御揃なされ
御事も御かはりなふ御くらしの
御わもし【わもじ=病気】もなふ山々御めて度
よしもしもや御たよりも
御 歓(よろこひ)入存上まいらせ候さては
【本文・左丁】
御さ候はゝよく〳〵御つたへ
此(この)一種(ひとしな)わざ〳〵遠方(えんほう)より
仰つかはされ下さるへく候
取よせ候まゝいさゝかなから
めてたまかしく
御 見舞(みまひ)まてにおくり上まいらせ候
折角(せつかく)〳〵寒(さむ)さ御いとひなされ候
やうに存上まいらせ候 何事(なにごと)も