東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 4

頭書萬用婦人手紙之文言 - 翻刻

頭書萬用婦人手紙之文言 - ページ 30

ページ: 30

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【頭書・右丁】 出てもはじめのうちは 何事も慎(つゝし)み心いつ ぱいに勤(つとむ)るゆゑに 主人も朋輩(はうばい)も心 よくもてはやすにつけて そろ〳〵と口(くち)をきゝ出し おなじ不奉公仲間(ふほうこうなかま) のかげくちにのりて あしさまに主人を罵(のゝし)り つひにはおのれの 身のさまたげと成(なり)て 立身(りつしん)出世する事 なし最初(さいしよ)の願(ねが)ひ には何とぞよく奉公 して衣類(いるい)をも拵(こしら)へ 【頭書・左丁】 出世もせんと思ひし ことなればその出世を するやうにつとむべき はずを不奉公(ふほうこう)するは はじめの望(のぞみ)をわすれ たるなりこゝをもつて 只(たゞ)人は発端(ほつたん)の志(こゝろざし)を ひるがへさずして一図(いちづ)に まもるべきことなり歌に  山だしのこゝろを   もちてつとめなば  つひには主(しう)に   めぐまれぞせん 右 姑(しうとめ)と娵(よめ)と下女(げぢよ)と 三ツの品はありといへ共 みな是そのこゝろより 【本文・右丁】 御 鼻紙(はなかみ)一 束(そく)御まな一折 わざと御 祝(いは)ひ上まいらせ候 こなた事も御 悦(よろこひ)御 暇乞(いとまごひ)ながら まいり申度候得共御 存知(ぞんぢ)の 取込(とりこみ)にて御 無沙汰(ぶさた)いたし 【本文・右丁】 まいらせ候 宜敷(よろしく)御 伝上(つたへあげ)られ 下さるべく候めで度かしく   ○移徙(わたまし)を祝(いは)ふ文   返す〳〵福(ふく)兵衛事もさつそく けふしは御 日柄(ひがら)もよろしく   御よろこひに上り申へきところ そなたへ御 移(うつ)りなされ候よし