翻刻
【頭書・右丁】
善悪(ぜんあく)の相(さう)はあらはるゝ
ことなりしかれども人
是に心をよする事
なくして家(いへ)を乱(みだ)し身(み)
を害(そこな)ふ事になりゆく
ことをしらざるなり
つゝしむべし〳〵
[諸礼(しよれい)躾(しつけ)がた]【四角枠で囲み】
○貴人(きにん)へ小袖(こそで)を参(まゐ)ら
するに先 衿(ゑり)の左右(さゆう)
を両手(りやうて)にもちてひざ
まづきめし給ふとき
たつてきせまゐらせ
帯(おび)の中ほどを左右
の手にもちてまゐ
らするなり
【頭書・左丁】
○脇差(わきさし)をさし上る事
刃(は)の方をわが方になし
鍔(つば)の下とこじりの所
を両手に持(もち)て参らすべし
○惣(さう)じて刃物(はもの)を参ら
すには刃(は)の方をわが方に
なしてまゐらすべし
○床(とこ)のかけもの或(あるひ)は
花(はな)などを見る事まづ
床(とこ)の少しこなたより
ひざまづき三足(みあし)ほど
床の前へはひ寄(より)よこ
畳(たゝみ)の上へ両手をつきて
見るべし
○しやうじあけたて
のこと左りの膝(ひざ)をつき
【本文・右丁】
多用(たやう)ゆへこなたよりよろしく
御 愛度(めでたく)存上まいらせ候此品
申上候やう申付候かしく
わざと御祝ひ申あけまゐらせ候
幾久敷(いくひさしく)御おさめ下さるへく候
めてたくかしく
○病気見舞(びやうきみまひ)の文
返す〳〵とくより御見舞
御かもしさま此ほとより御すぐれ
【本文・左丁】
申上たく候へとも此ほとは
不被成候よしいかゝ御入候や
無人(ぶにん)にてことの外せはしく
扨々(さて〳〵)御 案事(あんじ)申あけまいらせ候
それゆへ自由なから
嘸々(さぞ〳〵)御心づかひさつし上まいらせ候
御無さたいたしまいらせ候
此一 重(ぢう)御 見廻(みまひ)ながらおくり上
御ゆるし下さるへく候かしく
まいらせ候くはしくは御めもじに