翻刻
【頭書・右丁】
こんぶかちぐりをとりて
まゐらすべしさてをとな
しき女房二人てうし
ひさげをとりて下座に
下りへいじの雄蝶(をてふ)を取
てあをむけおき酒をひ
さげにうつし扨ひさげより
てうしへよきほどにうつして
酌(しやく)わが前にひかへて待(まつ)
べし扨 引渡(ひきわた)しいで
夫婦と待女郎にすへべし
其時 本酌(ほんしやく)三ツ盃を嫁(よめ)
の前に持参(ぢさん)す嫁とり
あげて三 献(こん)加(くは)へて聟(むこ)へ
さすむこいたゞき其盃を
下へまはしあらたに中の
【頭書・左丁】
盃をとりて三献のみて
嫁にさす嫁いたゞきて
此盃を下へまはし下の
盃をとりあげ三献のみ
て婿(むこ)へさすむこ盃を
とり三献のみておさむ
是三々九度のまなび也
○色直(いろなほ)しは此盃すみて
いだすべし夫(をつと)は嫁(よめ)より
持参(ぢさん)の小袖(こそで)たるべし
此盃の事はいろ〳〵流(りう)
義(ぎ)あれども下にては
略義(りやくぎ)をもつはらとす
れば大略(たいりやく)をこゝにしるす
なほ此みちをしれる人に
尋ぬべし
【本文・右丁】
申上まいらせ候 愛度(めでたく)かしく
○衣類(ゐるい)借(かり)に遣(つかは)す文
いよ〳〵御 障(さはり)なふ入せられ
御めて度御 嬉敷(うれしく)存上まいらせ候
さては度々(たび〳〵)申上かね候へとも
【本文・左丁】
本店祝(ほんたないわ)ひにてお福酌(ふくしやく)に
たのまれ候得共御 存知(ぞんぢ)之(の)通(とふり)
衣類(ゐるい)に差支(さしつかへ)困入(こまりいり)まいらせ候
御ほどさま黒(くろ)の御 小袖(こそで)にても
御かり申上度候御 下着(したぎ)も