翻刻
【頭書・右丁】
○是(これ)より舅(しうと)姑(しうとめ)にげん
ざんすみて雑煮(ざうに)を出し
又盃をはじめ酒(さけ)もかん
をすべし
○舅入(しうといり)の事右むこ入の
かくをもつてじんしやく
あるべし中にも婚礼(こんれい)は
賤(しづ)の男(をとこ)賤(しづ)の女までも
相応(さうおう)の礼をかくべからず
先祖(せんぞ)より子(し)々 孫々(そん〳〵)に
いたるまでの吉凶(きつきよう)を定(さだ)
むるところなれば能々(よく〳〵)
尋(たづ)ねはからふべし
[平生(へいせい)女(をんな)こゝろ得(え)]【四角枠で囲み】
それ縫針(ぬひはり)のわざは女
【頭書・左丁】
第一の芸(げい)なれば幼少(ようせう)
の時より手習(てならひ)とひとしく
はやく習(なら)ひおぼゆべき
ことなり世間(せけん)に琴(こと)三味(さみ)
線(せん)小唄(こうた)などにばかり
心をいれてぬひはりの
わざにうとき女もあれ
どもたとひ富(ふう)家にそ
だちおほく人をつかひ
て物縫(ものぬひ)女を置(おく)身(み)なり
とも心がけざれば女の道(みち)
に背(そむ)くといふべし昔(むかし)
文王(ぶんわう)といふ聖人(せいしん)の后(きさき)は
みづからおりぬひあらひ
はりし給ひけるよしふるき
書(ふみ)に見えたり物縫(ものぬふ)に
【本文・右丁】
御 見繕(みつくろ)ひいかやうの品(しな)にても
宜敷(よろしく)候まゝ何(なに)とそ〳〵
御かし被下候やう御ねがひ申上まいらせ候
まづはそう〳〵めて度かしく
○金子(きんす)借(かり)に遣す文
【本文・左丁】
返す〳〵ま事に〳〵よん処
態々(わざ〳〵)示(しめ)し上まいらせ候いよ〳〵
なき事にてせひなく
御さへ〳〵敷御入遊はしかす〳〵
御無心申上候もしまた
御めてたく存上まいらせ候さては
いかゞにおほしめし候はゝ
こなた事内々 拠(よんところ)なき
こなたゐるいにてももたせ
事にて金子(きんす)入用(いりやう)に候 所(ところ)