翻刻
【頭書・右丁】
きよめて垢(あか)つきたる
ものを着(き)ざるこそ夫(をつと)の
礼義(れいぎ)といひまた其身
の不浄(ふじやう)をはらふべし
先(まづ)衣類(いるい)をあらふには
灰汁(あく)に和(くわ)してこれを
おとすなりつよく油(あぶら)の
しみたるは滑石(くわつせき)の粉(こ)を
ふりかけてすゝぐべし
よくおつるなり
○洗(あら)ひ張(はり)色(いろ)あげ手(て)
染(ぞめ)は女のなぐさみにも
すべき手わざにて身
をつかふのひとつなり
染(そめ)ものゝ中にも紅梅(かうばい)
染の心やすく出来て
【頭書・左丁】
はなやかにその色(いろ)紅(べに)に
まさることをこゝに記(しる)す
一すはう 四十目
一ずみ 《割書:薬種也|》 同
一かりやす 十二匁
一みやうばん 三匁
右ひとつにして水二升
程入れせんじよく出る
を待(まち)ていくたひも染(そ)
むべしことの外色よく
出るなり
○女の心はおろかなる
ものなるを雑書(ざつしよ)を見て
男女(なんによ)の相性(あいしやう)をかんがへ
ひのえ午(うま)をいみ日を
うらみものいまひする
【本文・右丁】
御内々(ごない〳〵)御 願(ねが)ひ申上候御 聞届(きゝとゞけ)
下され候やうひとへに〳〵
御 願(ねが)ひ申上まいらせ候かしく
○金子(きんす)断(ことわり)の文
せんもしは御 使(つかひ)被下候其せつ
【本文・左丁】
仰(おほせ)下され候 金子(きんす)の事
鶴助(つるすけ)へくはしく申 聞(きか)せ候へども
此節(このせつ)仕入(しいれ)さい中(ちう)にてこなたとても
さしつかへ候ほどの事に御座候得は
近頃(ちかごろ)〳〵御きのどくさまには