翻刻
【頭書・右丁】
向(む)けうつはものに水を
入て星(ほし)の影(かげ)をうつして
をがむ竹(たけ)を七尺に切(きり)て
左右にたてそのさきに
糸(いと)を七すぢ願(ねが)ひの糸(いと)
とてかくるなり又 香(かう)を
炷(た)き琴(こと)を■【弾】じてま
つるなり
[四季(しき)之(の)曲(きよく)并(ならびに)序(じよ)]【四角枠で囲み】
花(はな)の春(はる)たつあした
には日かけくもらで
にほやかに人の心(こゝろ)
■【裳】おのづからのび
らかなるぞ四方山(よもやま)
【頭書・左丁】
春(はる)
春(はる)は梅(うめ)にうぐ
ひすやどしや藤(ふぢ)に
山吹(やまぶき)さくらがざす
みや人は花にこゝ
ろをうつせり
夏(なつ)
夏(なつ)はうのはなたち
ばなあやめはちす
なでしこ風(かぜ)ふけば
すゝしくて水(みづ)に
こゝろうつせり
秋(あき)
秌(あき)はもみぢに鹿(しか)の
【本文・右丁】
此ほどは御 疎々敷(うと〳〵しく)存上まいらせ候
さてはせんもじの金子(きんす)きのふまて
御 約束(やくそく)御ざ候ゆへ御まち申
上候得共御さたなく誠(まこと)に〳〵
こなた事(こと)こまり入まいらせ候
【本文・左丁】
竹右衛門(たけゑもん)へかくし候て御 内々(ない〳〵)
御かし申候事 故(ゆへ)だん〳〵
のび〳〵になり候てはこなた
心づかひ御すいもじ下さるへく候
是非(ぜひ)〳〵此 使(つかひ)のものへ御 渡(わた)し