翻刻
【頭書・右丁】
音(ね)ちくさの花に
まつむし鳫(かり)鳴(なき)て
月(つき)にこゝろうつ
せり
冬(ふゆ)
冬(ふゆ)はまづ初(はつ)しも
あられみぞれ
木(こ)がらしさえし
夜(よ)のあけぼの雪(ゆき)
にこゝろうつせり
各 委(くは)しく琴曲抄(きんきよくせう)
撫箏雅譜集(ぶさうがふしふ)
其外(そのほか)琴の譜の
書(しよ)に見る
【頭書・左丁】
[名香(めいかう)六十一 種(しゆ)
名寄(なよせ)文章(ぶんしやう)]【四角枠で囲み】
夫(それ)名香(めいかう)のかず〳〵に
匂(にほ)ひ上なき蘭奢待(らんじやたい)
いかにおとらん法隆寺(ほうりうじ)
逍遥(せうよう)三吉野(みよしの)紅塵(かうぢん)
ややどの古木(こぼく)の春(はる)
の花(はな)とくに妙なる法(ほ)
華経(けきやう)は花たちばな
の香(か)ぞふかみみかはに
かくる八(や)ッ橋(はし)の法(のり)の
はやしの園城寺(おんじやうじ)しか
はた似(にたり)うらみそふ
しげる菖蒲(あやめ)にふく
【本文・右丁】
下され候やう御 頼(たのみ)申上まいらせ候かしく
○弟子入(でしいり)頼(たの)み遣(つかは)す文
一 筆(ふで)申上まいらせ候 時分柄(じぶんから)
御ひへ〳〵敷候得共御 揃(そろひ)遊はし
御さへ〴〵しく御入らせ候はんと
【本文・左丁】
御めて度存上まいらせ候さては
娘(むすめ)事御 面倒(めんだう)さまながら
稽古(けいこ)御 頼(たの)み申上たく
存上まいらせ候 誠(まこと)に〳〵ふつゝか
ものにて御 気(き)の毒(どく)さまには