翻刻
【頭書・右丁】
事は女第一の芸なれ
ばよく〳〵ならひ覚(おぼ)ゆ
べしたとへ富貴(ふうき)の
家(いへ)に生れたりとも
仕立物(したてもの)はいふにおよ
ばずしきしつぎもの
つゞまやかにするは
家をたもつ柱(はしら)だて
なるべし夫(をつと)をもち
てはよくしたがひとかく
男をさしおきていひ
出しはからふことあしし
何事も詞(ことば)かずいはず
わかしらぬ道の事は
猶さらにして卒爾(そつじ)
にかたるべからずつたへ
【頭書・左丁】
聞(きゝ)たる事などはあや
まりあるものなれば
かたらんとおもふ事
わが心に会得(えとく)して
かたるべし人をつかふ
ものはおのれ人につか
はるゝとおもふべし万の
事 急(きう)に仕(し)おほせんと
するは気(き)のつくるもの
なりたとへば十ヲのこと
七ツ八ツまで仕おほせ
なば今ひとつふたつは
のこしおきよく気(き)を
やしなひかさねて成就(じやうじゆ)
すべきと思ふがよし
強(しゐ)てものごと早急(さつきう)
【本文・右丁】
御目出たくそんし上まいらせ候
此品(このしな)聊(いさゝか)ながら御めにかけ
まいらせ候 宜(よろし)く仰上られ
下され候やう御 願(ねが)ひ申上まいらせ候
めで度かしく
【本文・右丁】
女 手(て)ならひ
教訓(けうくん)の書(しよ)
古(いに)しへはものかゝぬ
人も世(よ)におほかりし
とはきけども今(いま)
かくめて度(たき)御代(みよ)に