翻刻
【頭書・右丁】
せんとすればきはめて
障(さはり)できたがるものなり
ゆゑに人をつかふにも
二ツ三ツあてがひその
事を仕廻(しまひ)たらばまた
だん〳〵にあてがふべし
一 度(ど)におほく用事を
いひつくればかならず
仕損(しそん)じできるもの
なり物(もの)習(なら)ふにも高(たか)き
にいたらんとする業(わざ)
をばひくきより習ひ
とほくいたらんと思ふ
事をは近(ちか)きより習ふ
べし無理(むり)なる主(しう)親(おや)
にてもよくしたがふは
【頭書・左丁】
女の道なりとしより
たる主人(しゆじん)親(おや)をばない
がしろにしてよろづのこと
に気(き)をもませかへつて
主親の非(ひ)をあげ己(おのれ)
手がら顔(がほ)して他人(たにん)に
遠慮(えんりよ)も言(いひ)ちらすもの
智(ち)浅(あさ)くたかぶるこゝろ
あるゆゑに損失(そんしつ)多(おほ)く
さやうのものは終(つひ)に世(せ)
帯(たひ)を持(もち)くづし流浪(るらう)
するものなりもと是
愚(ぐ)なるゆゑその時は
かへつて主(しう)を譏(そし)り
親(おや)を恨(うら)むものなり
主に不忠(ふちう)にし親に
【本文・右丁】
むまれて物をかゝ
ねば常(つね)にふじゆう
なるのみにあらず
人と交(まじは)りて見おと
されわらはるゝ事
あれば口(くち)をしき事
【本文・左丁】
ぞかしされば上(かみ)
れき〳〵より軽(かろ)き
下々(しも〳〵)まで先(まづ)手(て)ならふ
事(こと)をおしゆるは何国(いづく)も
おなじ事なり中(なか)
にも女子は年(とし)裳(も)【変体かなの「も」ヵ】