翻刻
【頭書・右丁】
一七 夜(や)といふ此日 名(な)を
つけ産衣(うぶぎぬ)を着(き)せ
男は左りの袖より女
は右の袖より通(とほ)すべし
○忌(いみ)あきとて男は卅
二日め女は卅三日めに
氏神(うぢがみ)へ参詣(さんけい)するなり
○喰初(くひぞめ)は百廿日めなり
生れ子に膳(ぜん)をすゆる
男は女のひざの上にあげ
女は男のひざへあげて
くゝめるまねをなす
○誕生(たんじやう)日二 歳(さい)のとき
出生の日をいはふなり
髪置(かみおき)は三歳の時
十一月十五日にかみを
【頭書・左丁】
おくなり頭(かしら)の上(うへ)綿(わた)を
うしろへかける也 末広(すゑひろ)を持(もた)
せて氏神へまゐらす
○袴着(はかまぎ)は男子五 歳(さい)の
十一月十五日にきせ初(そむ)る
碁(ご)ばんの上に立(たゝ)せて
左の足(あし)より入させる也
○被初(かつぎぞめ)は女子四才の
時の十一月十五日きせ初る
此事江戸にはなし
○男女とも八歳にて
入学(にふがく)さすべし手ならひ
よみ物さすることなり
○元服(げんぶく)は十五六歳の
ころ半元服(はんげんぶく)とて額(ひたい)に
角(すみ)を入るなり一両年
【本文・右丁】
ならひなり物かく
事は習(なら)ひさへすれは
一代あく眼(め)をあか
ずにくらさんはくち
おしき事ならずや
書うかべては身(み)に
【本文・左丁】
付たる宝(たから)にて
火(ひ)にもやけずとり
落(おと)す事もなく
つかふてへりもせず
用心(ようじん)せねどもぬす
まれもせず現世(げんぜ)