翻刻
小倉山 葉形切込多く十二きざみ
【挿絵】 あるとて十二ひとへと号
【挿絵内歌】 といへども数に多少
定家卿 ありてそれにかぎ
おくら山 らずたゞ紅葉の
しくるゝころの 品々うつくしく色
朝な〳〵 をかざりていみじき
きのふはうすき もやうをよぶるる
四方のもみち べし〽今ひと
葉 たびのみゆき
またなんとは
貞信公のなかめとかや
高雄(たかを) 葉は春の出葉よりして山楓也
【挿絵】秋の色を賞せりかの地は紅葉
の名所にしていろ〳〵にながめなし
錦をさらすと詠し山姫の
染るとよみ蜀錦(シヨクキン)にたとへ
錦城居(キンシヤウキヨ)とながめせしも
高倉院 にくからず紅葉のさま〳〵他にすぐ
御哥 れたり是はこれ此山の種とぞ
うす霧の立まふ山の紅葉ばは
さやかならねとそれと見へけり