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コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 28

ページ: 28

翻刻

公曰く今此事を知らさる也実に知らすと雖措く可きニ あらす依之直に馬を回らして登城せられしに果して 此日立嗣の議稍定まれりと翁が交際広き以て此補益 を為すの大となり推知すへきなり幾許もなく江戸におゐて 中将公謹慎之命あり又隠居ノ命あり翁亦江戸より国に帰りて 謹慎之職務差免され近習に置れ側用人次席と為る 万延二年正月側用人と為る文久二年ニ金五十両を賜る 続而足高百石を賜はり五十両は指止らる文久三年六月命 あり家督を牛之介に譲り退隠蟄居す十一月蟄居免ぜ られ側用人隠居の取扱いとなり上京し滞在中銀二百枚 を給わる元治元年二月公用方命せられ側用人同様と為り 勤中弐百俵賜ふ五月側用人隠居の取扱と為る年々 金五拾枚を賜ふ此年名を雪江と改む是より先国家多事 藩主又江戸ニ京都に上らるゝこと̪頻々なり而して翁之に供し 亦命を含んて藩境を離るゝこと屡なり慶応元年九月 御用中中老勤と為り五十人扶持を賜り十二月中老と為り 慶応三年願に依り職務差免され十人扶持賜り 宰相老公春嶽公上京せられ翁之に供し上京中二老勤 務五十人扶持を賜ふ同年八月帰藩格藩旨を以て家 老格隠居の取扱と為り左の通り命せらる