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翻刻
【右丁】
藤原保敬祖母 有賀極人祖母
同
あはれともいかでか人にしられまし浮世にはぢていはぬこゝろを
物部演祥 蜷川七郎兵衛
同
山深みわか住宿の淋しさもしのぶにあまるあきのゆふつや
源 直紀 太田丹治
同
秋風にふしの高ねの雲消て雪かとまがふあり明のつき
源 賢詮妻 芦田下野妻
松之下葉
沖津かせ浪もしつかに漕出て雲ゐにうかふあまの釣舟
いせの 某家仕女
たのましな嵐の庭の花よりもうつろひやすき人の心は
【左丁】
平佐賀 周防伊左エ門後号自反
蟬吟集
危さも今は中々わすられて恋路にわたる木曽のかけはし
平久竹 並河一九郎
同
見しを其かきりとしらば中々にあたに思ひの色は深しを
源 英長 小川治兵衛
重病中の歌
あだに消るものとものみえず置わたすをり小野の萩の上露
湛盈法師 吉江石田西光寺住寺【ママ】
月ニ對苔を慕
うしと見し世をしたはしの月の影幾めくり来つほし光に
小嶋紀盛 小嶋知策
小川英長の身まかりしをとふらひて
名にしおふ人の別をゝしてるや難波のあしも夢の世中