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翻刻
【右丁】
もと女 菅沼氏女
蟬吟集
おもひつゝまとろむ夢の手枕にうしやあたなる人の契は
足羽住夏朝臣 従四位下摂津守
松の下葉
笛の音にしらべてましを散比の花にとひくる宿の梅枝
源 興之 溝口郷左衛門
續采藻篇
夏風にうつろひやすき花よりも人にこゝろの置れやはせぬ
源 元敷 熊谷小兵衛号梅𦾔
【左丁】
松の下葉
すめは又都のそらもわすられて月になれたるあきの山さと
源 道張 笹川血治兵衛
續采藻篇
立うへる春の霞のころもきて袖ふる山は色まさりけり
源 友量 渥美新右衛門
蟬吟集
逢事は初花そめのかり衣身にふれてこそ色まさりけれ
源 満雅 大井弥太郎
同
あかなくに春の日数も過にけり野を起ふしの宿としてしか
藤原勝具 秋田八左衛門
續采藻篇
あはてふる程をうき世となかむれは涙の玉ぞいとなかりける
源 行忠 彦坂又兵衛