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コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 55

ページ: 55

翻刻

【右丁】 蟬吟集 なら柴のなれても寂し山里はまつのあらしの音はかりして      源 満堯  小笠原孫次郎 同 軒近きまつかせならて梅か香のうち驚かす夢も有けり      藤原 通  渋谷與五左衛門 撫子 なる神の音もはるかに雲消てまかきにのこる露の撫子      大崎信門  大崎岩之助 あたに吹袖の春風寒からて庭にうつふる花のしら雪      藤原勝徴  秋田左太夫 續采藻篇 わたつみの底もひとつにかすむかと見えてのとけき朧夜の月      源 周春  高田金太夫 【左丁】 あけゆくか波にうつろふかゝり火の光もともにしらむ月影      源 景久  大橋久左衛門 よもすから八重立雲と見えつるは花にあけ行そらめ也けり      平 静興  長尾順房 夕くれの君かしらへにかよふらしうら山しきは峯のまつ風      橘 尚常  福井神明宮神主」牧田主殿助 住人のこゝろもしらす女郎花草のまかきをへたてゝぞみる      源 氏暢  村田元作 萩の下葉 水くらさ玉えのあしのふしのまもかそふはかりにとふ蛍かな      藤原翼章  井上織之丞