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翻刻
【右丁】
蟬吟集
なら柴のなれても寂し山里はまつのあらしの音はかりして
源 満堯 小笠原孫次郎
同
軒近きまつかせならて梅か香のうち驚かす夢も有けり
藤原 通 渋谷與五左衛門
撫子
なる神の音もはるかに雲消てまかきにのこる露の撫子
大崎信門 大崎岩之助
あたに吹袖の春風寒からて庭にうつふる花のしら雪
藤原勝徴 秋田左太夫
續采藻篇
わたつみの底もひとつにかすむかと見えてのとけき朧夜の月
源 周春 高田金太夫
【左丁】
あけゆくか波にうつろふかゝり火の光もともにしらむ月影
源 景久 大橋久左衛門
よもすから八重立雲と見えつるは花にあけ行そらめ也けり
平 静興 長尾順房
夕くれの君かしらへにかよふらしうら山しきは峯のまつ風
橘 尚常 福井神明宮神主」牧田主殿助
住人のこゝろもしらす女郎花草のまかきをへたてゝぞみる
源 氏暢 村田元作
萩の下葉
水くらさ玉えのあしのふしのまもかそふはかりにとふ蛍かな
藤原翼章 井上織之丞