← 前のページ
ページ 57 / 110
次のページ →
翻刻
【右丁】
松の下葉
むさし野もかきりしあるをうき人に迷ふ心の末そ果なき
榮信尼 慶松廣完母
蟬吟集
葵のよをいとふこゝろのかくれ家にはらひもつくせ峯の松風
ひさ子 新屋
我振袖
草まくらかりねの床の夢をさへ結ひもあへぬはるさめの空
りさ子 市中
同
たりやとくしらぬ垣ねもとはれけりゆくてににほふ梅の一もと
坂野致知 金津米屋一郎兵衛
松の下葉
山峯の雲麓の霞いくえ猶おもひわけてもみよしのゝ山
浅田包知 金津午野屋弥兵衛
【左丁】
仝
今朝は又秋見し露の玉笹にむすひかへたり霜のさやけき
信夫女 撰者
梅かゝをはたしく袖のうたゝねにはかなやうかふひとの面影
諱君 紀伊中納言宗将卿女」正妃
せきとむるしからみもかな早瀬川水とゝもにそ春はくれ行
右は越路百人一首松虫の音 尚委敷は本書に
記せり