← 前のページ
ページ 64 / 110
次のページ →
翻刻
【右丁】
熊谷元敷 桜𦾔
やそとせの春も清見か関こゑて千世の緑をみほの松原
多森 温 太郎兵衛
八十とせの春をはしめに幾千世も色かへぬ軒の松にちきれよ
中村躬子 八太夫
梓弓やそのとし波こゆるきにちとせをまつの影は老せし
石川武久 弥五右衛門
八十年の春をこえてもときは山峯の松か枝いくよふるらし
大井満雅 弥十郎
幾代しをこしちの山の峯におふる松のよはひは君見はやさむ
【左丁】
比企栄禎 文左衛門
やそしへて色もかはらぬ相老に行末契れみほのうらまつ
小笠原満尭 孫次郎
とかへりの花さく春にあふみなる八十のみなとにたてる松かえ
江口幸趠 次兵衛
緑そふ千年の山の嶺のまつ猶幾かへりはるをかさねむ
熊谷元午 小兵衛
梓弓やそしの春の松の色を行すゑなかき友と見るらん
国枝信正 六太夫
行末のひさしかるへきためしにはきみかやとなる松そ色こき