デジタルアーカイブ福井の資料を翻刻

コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 85

ページ: 85

翻刻

【右頁】 たる古実の程は知らされと蟇目の法を 行へば悪魔降伏の徳ある由小野道風は 蛙の根気に感して筆道の極意を極め 又住吉の明神は水に住む蛙迄倭国に歌 よまぬはなしと唐土人にのたまひける由 なるが又俳諧の元祖たる芭蕉翁は 古池や蛙の発句に又名を揚たり然る処 ことしより十あまり九とせ前の頃新なる まつりことに改め玉ふ折柄よりよろつの 事々変り果ぬる有さまを旧弊執着 【左頁】 するにはあらざめれどむかしのありさまを 後の代に至りて何事も知らず成なんはいとかな しき事と思ふ心よりして昔より福井の ありさまを或は画き或は何事によらす書 綴りて一帖となし幾千代の末々迄書継たらん にはと先の年 旧御藩 御両君公へ御覧に入しに 正二位老君公御序文温故帖と題号を 戴きあがた十五景の御詠歌を賜りし より追録の趣向数多ある内芭蕉翁以来