翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 4

ページ: 4

翻刻

石火矢台?所々にかまへ大堀有り橋有り高 石垣は数里に築廻して堅固なる要害也 主人ゟ呉服の御用として毎度納め来り我 も度々城下に登り去程に孫七思ひけるは此 所に来り六年の春秋を暮しけるにさのみ 苦みもなく不自由も無く年を送りけれど 古郷の恋しきことは起ても寝ても忘れがた くでつく〴〵はかり事を思ひ出しけり此国の 人父母兄に孝行成事上なけれは我母には 産捨て死わかれ父には十五歳にて離れ兄独 りを父とも母とも頼つれは二タ親有りと兼而 語りけれは弥此ことをはからばやと先主人の? 母親に語りける様は我数年度に来り御 憐に預り安楽世界と存し此上や候はじ然 共我国には二親有て我行末をあんじ 苦のしたにもや成侍らん事の悲しさ一ト度 日の本に渡り親共の命あらん内に逢ひ まみへ度由泪を流して語りけれは老母も