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コレクション: コレクション3

種痘新編 - 翻刻

種痘新編 - ページ 5

ページ: 5

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【右頁】 盖痘毒は體内に在て尤も能急疾の變を生して人命を 害するをもつて速に是を出し去らすんば有へからず 今世に知れる所の萬邦痘瘡の流行せさる所なく是を 患ずる人稀なり總て自然流行の悪性なる痘を受るか 或は醫治の誤るに由つて人を損する事少からす種痘術を 信用するの諸国はみな此患を免る事を得るなり 此種痘法の良功ある事は徧く歐羅巴(ヱウロツパ)中に於て稱誉せり 其初諳厄利亜(エンゲリア)にてこれを多くの罪人に試るに悉く順症 にして一人も危険症なきを以て其事益顯然たり盖其 理を究め其實に試るに明白良善の法なるを以ての故なり 然るに暗昧疑惑の輩此術を憎猜みてこれを誹る事 【左頁】 疽と為て治療すべからさる跛蹩廃人となる 禮印旁(レインハーン)《割書:地|名》にて一小児の痘毒足に着て骨節腐壊して 脱落せし者を見る名醫數輩其治療に思を盡すといへとも 効を奏する事なかりし凡如此なる痘毒は疫毒の頑惡 なるか如したとへ治術を盡すとも終に救ふべからす其時 を擇て種痘するには此険惡症を得る事絶へてなきなり 痘毒に惡性ある事斯のことし加之其毒の體中に在る時 は年齢を積に隨ひて増益するなり且其人の性質種瘍 を發し易く或は粘液多き者の如きは其痘毒最烈し きなり故に此等の人年長して流行の痘を患れは必す 死を免れず但幼年なれば偶生を得るものあり此草の