疫病関連資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

種痘新編 - 翻刻

種痘新編 - ページ 6

ページ: 6

翻刻

【右頁】 如きも種痘法を施す時は其危難を救ふべし 大人流行の痘を患ふる時は血液熱沸して脉絡緊張する 事其勢小児に比すれは最烈しく遂に血液の腐敗する に至る故に廿歳以上の人に於ては呼吸促悶して死する 者十の七あり小児は身體柔軟輭にして脉絡弛緩なる の故に疼痛を覚ゆる事少し是を以て惡症を得ると いへとも大人に比すれは死を免るもの頗多し況や順 痘を得或は種痘術を用ゆるに於ては其安穏なる事 知るべきなり 年の長したるものは順痘を得るとも其兼症甚た烈し たとへ療法にて救ふべしとも若拙工庸醫の治術度を 【左頁】 失ふ事あれは是か為に死するもの少からず 高年に至るまて痘を免るものあり是は幼年の時他病 ありて其治療に依つて體内の痘毒おのつから清除し たる者なり或は性質痘毒なきものも間々あり斯の如き 人には種痘を施すも痘を發する事なきなり又性質痘 毒の多きものあり此人は纔に其気を感すれば勿つち 發する事速にして必す稠密なり其毒皮下脂膜の部を 擾亂するを以て皮面に深き痕を為す此等の人にも 種痘を施せしに猶危ふき事なく功をつたり是に由て 祝るときは種痘によりて發するの痘は總て安穏なる事 知るべし嘗て是を試るに百人に死するもの僅に一人