Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 116

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整(とゝの)へ節刀使(せつとし)の大旗(おほばた)を真先(まつさき)に押立(おしたて)東(ひがし)に向(むかふ)て首途(かどで)の鏑(かぶらや)三 度(ど)放(はな)して意気(いき) 揚々(やう〳〵)として都(もやこ)を進発(しんばつ)しけるは。さも勇(いさ)ましく見えにける。斯(かく)て宦軍(くわんぐん)奥州(おうしう)に下(げ) 着(ちやく)し国人(くにんど)に案内(あない)させ。衣川(ころもがは)の此方(こなた)に陣営(ぢんゑい)を構(かまへ)賊軍(ぞくぐん)を一 戦(せん)に蹴散(けちら)さんと軍(いくさ) 立(だて)を定(さだ)め四五日 兵馬(へいば)の疲労(ひらう)を休(やす)め已(すで)に三 軍(ぐん)労(つかれ)を忘(わすれ)ければ。さらば明日(めうにち)一 戦(せん) を催(もよほ)さんと宵(よひ)より準備(ようい)【准は俗字】をなし暁方(あかつき)に兵糧(ひやうらう)をつかひ。朝霧(あさぎり)いまだ霽(はれ)ざるうち より先陣(せんぢん)二 陣(ぢん)段々(だん〴〵)に押出(おしいだ)し衣川(ころもがは)の岸(きし)までいたり川向(かはむかふ)を見わたせば。賊軍(ぞくぐん)已(すで)に 出張(しゆつてう)せしと覚(おぼ)しく。川霧(かはぎり)深(ふか)く立籠(たてこめ)【篭は俗字】たる中(うち)より。楯(たて)を敲(たゝ)き箙(ゑびら)を鳴(なら)して喊(とき)を 噇(どつ)とぞ発(つくり)ける宦軍(くわんぐん)是(これ)を聞(きゝ)偖(さて)は賊徒(ぞくと)北岸(ほくがん)へ出張(しゆつてう)せしぞ一 戦(せん)に蹴散(けちら)せよと いまだ大将(たいせう)の下知(げぢ)もなきに。逸雄(はやりを)の若者(わかもの)ども同(おなじ)く鬨(とき)を合(あは)し。川岸(かはぎし)に立並(たちなら)んで 鏃(やじり)を揃(そろへ)て雨(あめ)のごとく矢(や)を射(い)ければ賊方(ぞくがた)よりも矢(や)を射返(いかへ)し互(たがひ)に矢軍(やいくさ)に時(とき)を うつす内(うち)霧(きり)しだひに霽(はれ)わたりけるゆへ。先陣(せんぢん)墨縄(すみなは)の麾下(はたした)会津壮麻呂(あいづのさかりまる)大伴(おほとも)