Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 122

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口中(かうちう)へ飛入(とびいり)給ふと見て夢(ゆめ)覚(さめ)けり。夫妻(ふさい)ひとしく夢(ゆめ)を語(かたり)合(あふ)にともに同(おな)じ夢(ゆめ)を見 しゆへ奇異(きい)の思(おも)ひをなし。是(これ)正(まさ)しく観音(くわんおん)薩垂(さつた)我徒(われ〳〵)の祈願(きぐわん)を納受(のふじゆ)在(ましま)し 一 子(し)を授(さづ)け給ふにこそと最(いと)頼母(たのも)しく思(おも)ひ。夫婦(ふうふ)仏前(ぶつぜん)に額着(ぬかづき)て。仏恩(ぶつおん)を拝謝(はいじや) して下向(げかふ)しけるに。果(はた)して程(ほど)なく妻女(さいぢよ)妊娠(にんしん)し。十月(とつき)満(みち)て平(たいら)かに玉(たま)の如(ごと)き男子(なんし) 出生(しゆつせう)しける大養(おほかひ)夫婦(ふうふ)大いに怡(よろこ)び掌中(せうちう)の玉(たま)と鍾愛(いとをしみ)荒(あら)き風(かぜ)にも中(あたら)せじと慈(いつくし)み 育(そだて)けるに嬰児(みどりこ)の頃(ころ)より普通(ふづう)の小児(せうに)よりは大体(おほがら)にて常(つね)の児(こ)のごとく啼事(なくこと)なく 敢(あへ)て物(もの)駭(おどろき)せず無病(むびやう)にて健(すぐやか)に生立(おひたち)。六七才の頃(ころ)より手跡(しゆせき)を習(なら)ひ儒書(じゆしよ)を 読(よむ)に記憶(ものおぼへ)よく。一 度(ど)聞(きい)ては忘(わす)るゝ事なく才機(さいき)衆童(しゆうどう)に勝(まさ)り。且(かつ)又(また)力(ちから)甚(はな)はだ強(つよ) く。七八才の頃(ころ)より血気(けつき)の若者(わかもの)も転(まろば)しかぬる大石(たいせき)を。小腕(こうで)にてよく持運(もちはこぶ)に更(さら)に 重(おも)げなる色(いろ)も見えざれば。諸人(しよにん)驚嘆(きやうたん)し奇童(きどう)なりと称(せう)しける。父(ちゝ)大養(おほかひ)も奇(き) なりと感(かん)ずる事 度々(どゝ)有(あり)けるゆへ。実(げに)も観音(くわんおん)の授(さづけ)給ひし子(こ)なれば。尋常(よのつね)の小(せう)