Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 156

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悉(こと〴〵)く手づから討取(うちとり)国中(こくちう)の政事(せいじ)まで調(しらべ)糺(たゞ)せし事 比類(ひるい)なき勲功(くんかう)なるよし睿聞(ゑいぶん)に達(たつ)し ければ御感(ぎよかん)斜(なゝめ)ならず。則(すなは)ち田村丸(たむらまる)を召(めさ)れて東征(とうせい)の軍功(ぐんかう)を御 褒美(ほうび)在(ましま)し従(じふ) 三 位(み)に叙(じよ)し征夷大将軍(せいいたいせうぐん)に任(にん)じ給ひ。加増(かぞう)の采地(さいち)をぞ賜(たまは)りける。田村丸大いに怡(よろこ) び厚(あつ)く君恩(くんおん)を拝謝(はいじや)し奉りて退出(たいしゆつ)せられけり。次(つぎ)に藤原真鷲(ふぢはらのまわし)百済王(くだらわう)俊哲(しゆんてつ) を召(めさ)れて忠賞(ちうせう)を下(くだ)され。独(ひとり)大伴弟麻呂(おほともおとまろ)は微功(びかう)なきを以(もつ)て御恩賞(ごおんせう)の御 沙(さ) 汰(た)なく閉居(へいきよ)すべき由(よし)の詔命(みことのり)下(くだ)りける。田村丸(たむらまる)表(へう)を奉(たてまつ)り。今度(こんど)奥州(おうしう)の降人(かうにん)た る大墓(おほはか)盤具(ばんぐ)両人(りようにん)は夷賊(いぞく)の種類(しゆるい)ながら見所(みどころ)ある者に候へば。渠(かれ)們(ら)両人(りようにん)を助命(じよめい)せ られ小宦(せうくわん)を授(さづけ)給ひて奥州(おうしう)に住居(ぢうきよ)させ玉はゞ。重(かさね)て夷賊(いぞく)の乱妨(らんばう)せんとき取鎮(とりしづめ)るに 大いに湎便(たより)と成(なり)候べしと奏聞(そうもん)せられければ。帝(みかど)此議(このぎ)如何(いかゞ)あるべきと群臣(ぐんしん)を召(めさ)れて 勅問(ちよくもん)ありけるに。公卿(くげう)の中(うち)に大伴弟麻呂(おほともおとまろ)が縁者(えんじや)有(あつ)て。今度(こんど)の御 沙汰(さた)に弟麻呂(おとまろ)が寸功(すんかう) なきを以(もつ)て閉居(へいきよ)仰(あふ)せ付(つけ)られしを悔(くや)み。田村丸(たむらまる)が抜群(ばつぐん)の昇進(せうしん)を妬(ねた)みて。降人(かうにん)を助命(じよめい)