Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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せんと願(ねがふ)を言(いひ)妨(さまたげ)んと御 評議(ひやうぎ)の席(せき)に進(すゝ)み出(いで)。彼(かの)降参(かうさん)せし夷賊(いぞく)御助命(ごじよめい)の議(ぎ)は 御 無用(むよう)たるべく候はんか。其故(そのゆへ)は元来(ぐわんらい)夷賊(いぞく)は禽獣(きんじふ)にひとしく多欲(たよく)残忍(ざんにん)にて信義(しんぎ) を知(しら)ざれば。天恩(てんおん)を忘却(ぼうきやく)して虎狼(こらう)の心を生(しやう)ぜん事 治定(ぢでう)に候。渠們(かれら)を奥州(おうしう)へ放ち 皈(かへ)し玉はんは。虎(とら)を山林(さんりん)に放(はなつ)がごとく。却(かへつ)て後(のち)の害(がい)を遺(のこ)す理(り)にて候へば。只(たゞ)誅(ちう)し給ふ こそ然るべく候と申ければ。帝(みかど)も理(ことは)りに思召(おぼしめし)遂(つひ)に誅戮(ちうりく)在(ある)べきに定(さだ)まり。大墓(おほはか) 盤具(ばんぐ)とも河内国(かはちのくに)杉山(すぎやま)に於(おい)て死罪(しざい)に行(おこな)はれ。其余(そのよ)の降人(かうにん)は田村丸(たむらまる)の乞(こふ)に任(まか)せ悉(こと〴〵) く助命(じよめい)ありて奥州(おうしう)へ放(はな)ち帰(かへ)させ給ひけり      延鎮(えんちん)《振り仮名:語_二両脇士奇特_一|りようわきしのきどくをかたる》  田村丸(たむらまる)《振り仮名:建_二立清水寺_一|せいすいじをこんりうす》条 坂上田村丸(さかのうへたむらまる)は東夷(とうい)征伐(せいばつ)の大功(たいかう)に因(よつ)て。官位(くわんゐ)昇進(せうしん)し御 加増(かぞう)を給(たまは)り。家(いへ)繁栄(はんゑい) の時(とき)を得(え)られしかば喜悦(きゑつ)限(かぎ)りなく。是(これ)併(しかし)ながら観音大士(くわんおんだいし)の加護力(かごりき)に因(よる)所(ところ)なりと て東山(むがしやま)【ママ】の延鎮(えんちん)が菴(いほり)へ到(いた)られけるに。延鎮(えんちん)は已(すで)に観音(くわんおん)の像(ぞう)及(およ)び腋立(わきだち)地蔵(ぢざう)多(た)