Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 181

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落(おち)給ひけり。仲成(なかなり)も有合(ありあふ)手勢(てぜい)七八十 騎(き)を従(したが)へ。武具(ものゝぐ)に身(み)を固(かた)め。是(これ)も平城(なら)を打(うち) 立(たつ)て東国(とうごく)へ下らんと馬(むま)を逸(はや)め馳行(はせゆき)けるに。程(ほど)なく田村丸(たむらまる)一 軍(ぐん)を率(ひい)て追蒐(おつかけ)来(きた)り 十 里(り)に響(ひゞ)く大音(だいおん)を上(あげ)奸賊(かんぞく)仲成(なかなり)走(はし)る事 勿(なか)れ坂上田村丸田村丸(さかのうへたむらまる)勅命(ちよくめい)に依(よつ)て向(むかふ)たり と呼(よば)はりける。其声(そのこゑ)雷霆(らいてい)の如(ごと)くなりければ。馬(むま)は此声(このこゑ)に怖(おそ)れて駈(かけ)り得(え)ず立痓(たちすくみ) に成(なつ)て嘶(いばへ)けり。仲成(なかなり)も頭上(づしやう)より雷(いかづち)の落(おち)かゝる如(ごと)く覚(おぼ)へ馬上(ばしやう)に戦慄(ふるひわなゝ)きながら馬(むま) を拍(うつ)て逃(にげ)んと身(み)を揉(もむ)うちに早(はや)田村丸(たむらまる)は駒(こま)を早(はや)めて追(おひ)近着(ちかづく)にぞ仲成(なかなり)が手(て) の者(もの)主(しゆう)を落(おと)さんと廿 騎(き)ばかり抜連(ぬきつれ)て打(うつ)てかゝる。田村丸 勃然(ぼつぜん)として例(れい)の大太刀(おほだち) 抜(ぬき)そばめ電光(でんかう)の如(ごと)く閃(ひら)【閦は誤記】めかして一太刀(ひとたち)に二人三人 薙居(なぎすへ)ければ。残(のこ)る兵士(へいし)等(ら)大いに 怖(おそ)れ蜘(くも)の子(こ)を散(ちらす)ごとく。主(しゆう)を捨(すて)て逃散(にげちり)けり。其隙(そのひま)に仲成(なかなり)はよふ〳〵馬(むま)を駈(かけ)さ せて逃(にげ)けるを田村丸(たむらまる)馬(むま)を飛(とば)して追着(おつつき)猿臂(ゑんひ)を伸(のば)して小児(せうに)のごとく掻抓(かいつか)み大地(だいち)へ 噇(どう)と投(なげ)けるに余(あま)り強(つよ)く投(なげ)しゆへにや。五体(ごたい)砕(くだ)け其儘(そのまゝ)血(ち)を吐(はい)てぞ死(し)し