Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 196

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如何(いかゞ)ぞと問(とふ)。玄吾(げんご)謝(しや)して。身(み)の難渋(なんじふ)の秋(とき)なれば何方(いづかた)にても苦(くる)しからず。万望(なにとぞ)管(せわ)【𬋩は異体字】なし て給はり候へと頼(たのみ)けるゆへ。主(あるじ)の男(をとこ)点首(うなづき)。然(さら)ば少時(しばらく)待(また)れよとて外(と)の方(かた)へ走出(はしりいで)けるが。半(はん) 時(とき)ばかり有(あつ)て一人の男(をとこ)を伴(ともな)ひかへり。玄吾(げんご)に向(むか)ひて。奉公(はうこう)の管媒(きもいり)【𬋩は異体字】せらるゝは此人(このひと)なり 同道(どう〳〵)往(ゆか)るべしと言(いふ)にぞ。玄吾(げんご)は主(あるじ)の好意(かうい)を謝(しや)し。彼男(かのをとこ)に従(したが)ひて楞厳院(れうごんいん)へ 到(いたり)て見るに。堂塔(どうとふ)巍々(ぎ〱)たる大寺(たいじ)にて。寺中(じちう)に僧坊(そうばう)数軒(すけん)あり。其(それ)が中の普賢院(ふけんいん) と標札(へうさつ)打(うち)し房(ばう)へ伴(ともな)ひ入。住僧(ぢうそう)と何(なに)か談(だん)じ。玄吾(げんご)を呼(よび)て住僧(ぢうそう)に目見(めみへ)させける。此(この)僧(そう)を 清真(せいしん)と号(がう)せり。玄吾(げんご)が人品(ひとがら)卑(いやし)からざるを見て。国所(くにところ)姓名(せいめい)を問(とひ)書(しよ)をかゝせ見るに。殊(こと) の外(ほか)達筆(たつぴつ)なれば。清真(せいしん)の意(い)に適(かな)ひ。記録郎(ものかき)に抱(かゝ)ゆべきよし言(いひ)けるゆへ。玄吾(げんご)怡(よろこ)びて 恩(おん)を謝(しや)し管媒人(せわにん)の男(をとこ)は立帰(たちかへ)りけり。其(それ)より玄吾(げんご)は身(み)収(おさま)りければ安堵(あんど)の思(おもひ)をなし 万端(ばんたん)に心を用(もち)ひて勤(つと)めけるにより。清真(せいしん)も好(よき)家人(けにん)を得(え)たりと心 怡(よろこ)びける 扶桑皇統記後篇巻之二終