Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 269

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給ふに。守敏僧都(しゆびんそうづ)の御 身(み)を咒咀(しゆそ)調伏(てうぶく)する護摩(ごま)の煙(けふり)なる事 顕然(げんぜん)たれば。さらば我(われ) も災害(さいがい)滅除(めつぢよ)の法(ほふ)を修(しゆ)せんと徒弟(とてい)に命(めい)じて祈(いのり)の檀(だん)を設(もふけ)させ不動明王(ふどうめうわう)の尊影(そんえい) を祭(まつり)注蓮(しめ)幣串(へいぐし)種々(しゆ〴〵)の供物(くもつ)にいたるまで法(ほふ)の如(ごと)く調(との)へさせ。檀上(だんじやう)に坐(ざ)を構(かまへ)て護摩(ごま) を焼立(やきたて)水晶(すいしやう)の珠数(じゆず)おしもみて不動(ふどう)の真言(しんごん)を唱(とな)へ丹誠(たんせい)を凝(こら)してぞ祈給ひける。され ば当時(とうじ)天下に名高(なだか)き権者(ごんじや)と名僧(めいそう)の行力(ぎやうりき)競(くらべ)にて多年(たねん)修学(しゆがく)の功(かう)を尽(つく)し肝胆(かんたん) を砕(くだ)き祈(いの)り合(あは)れける程(ほど)に。西寺(さいじ)の護摩(ごま)の煙(けふり)は東寺(とうじ)へなびき東寺の黒烟(くろけふり)は西寺(さいじ) へ向(むか)ひ双方(そうはう)の煙(けふり)雲(くも)のごとく虚空(こくう)に翻満(へんまん)し。凡夫(ぼんぶ)の眼(め)にこそ遮(さへぎ)らね双方(そうはう)の天部(てんふ)万(まん)眷属(けんぞく) 東西(とうざい)の雲中(うんちう)に充満(じうまん)して互(たがひ)に射違(いちがふ)る飛箭(ひせん)は雨(あめ)の脚(あし)より繁(しげ)く昼(ひる)は日(ひ)の影(かげ)を曇(くも)らし 夜(よる)は月(つき)の光(ひかり)も朦朧(もうろう)として。伝聞(つたへきく)帝釈(たいしやく)修羅(しゆら)の闘(たゝか)ひも斯(かく)やと見えて凄(すさま)しかりけり。去 程(ほど)に両僧(りようそう)一七日が間(あいだ)息(いき)をも吐(つが)ず祈(いのり)合ける程(ほど)に更(さら)に勝劣(しやうれつ)分(わか)らず何時(いつ)果(はつ)べしとも見 えざりければ。空海和尚(くうかいおせう)心中(しんちう)に盵(きつ)と一 計(けい)を案(あん)じ出(いだ)し給ひ。鱅魚(このしろ)といふ魚(いを)を多(おほ)く取寄(とりよせ)さ