Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 325

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    文徳天皇(もんどくてんわう)御即位(ごそくゐ)  位(くらゐ)争(あらそひ)名虎良雄(なとらよしを)角觝(すまふの)条(こと) 仁明天皇(にんみやうてんわう)已(すで)に登霞(とうか)なし給ひければ。春宮(とうぐう)道康親王(みちやすしんわう)宝祚(ほうそ)を嗣(つぎ)給ふ此君(このきみ)を人(にん) 皇(わう)五十五代の帝(みかど)文徳(もんとく)天皇と申奉れり則(すなは)ち仁明帝(にんめうてい)の皇子(わうじ)にて御 母(はゝ)は左大臣(さだいじん)冬(ふゆ) 嗣公(つぐこう)の女(むすめ)五条后(ごでうのきさき)順子(じゆんし)と申せり。承和(しやうわ)九年 皇太子(くわうたいし)に立(たち)給ひ今年(こんねん)嘉祥(かじやう)三年四月 帝位(ていゐ)に即(つき)玉ふ。然(しかれ)ども先帝(せんてい)の諒闇(りようあん)の中(うち)なれば。御 即位(そくゐ)の大礼(たいれい)は御 延引(えんいん)有(ある)べきやう 勅詔(ちよくぜう)ありけれども。御 祖母(そぼ)嵯峨(さが)の皇大后(かうたいくう)御 老体(らうたい)にて御悩(ごのふ)しば〳〵発(おこら)せ給ひければ 当帝(とうてい)御即位(ごそくゐ)の大礼(たいれい)を御覧(ごらん)ありたく思召(おぼしめし)早(はや)く大嘗会(だいぜうゑ)を執行(とりおこなふ)べきよし頻(しきり)に申(もう) させ玉ふにより。月(つき)を以(もつ)て年(とし)に易(かへ)日(ひ)を以(もつ)て月(つき)に易(かへ)。登極(とうきよく)の大礼(たいれい)厳重(おごそか)に執行(とりおこな)はせ玉 ひけり。皇大后(かうたいくう)は此(この)御 儀式(ぎしき)を御覧(みそなは)して御 安意(あんい)在(ましま)しけるが御悩(ごのふ)は猶(なほ)弥増(いやまし)同年 五月 終(つひ)に薨御(かうぎよ)なし給ひけり。此(この)皇后(かうごう)は深(ふか)く仏道(ぶつどう)に皈依(きえ)し給ひ。嵯峨(さが)に檀林寺(だんりんじ)を御 建立(こんりう)ありけるゆへ。世(よ)に檀林皇后(だんりんかうぐう)とは申せり。又 曽(かつ)て禅法(ぜんほふ)に御心(みこゝろ)を傾(かたむ)け給ひ恵萼(ゑがく)