Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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といふ僧(そう)を唐土(もろこし)へ渡(わた)され禅宗(ぜんしう)を求法(ぐほふ)させしめ給ひ。九相(きうさう)といふ事を観念(くわんねん)し玉ひて 兼(かね)ては御 終焉(しうえん)の後(のち)は屍(しかはね)を其儘(そのまゝ)野辺(のべ)に捨置(すておく)べしと御 遺言(ゆいごん)有(あり)けれども今年(ことし) 先帝(せんてい)《割書:仁|明》崩御(ほうぎよ)の砌(みぎり)尼(あま)に成(なり)給ひしゆへ。其義(そのぎ)に及(およば)ず厚(あつ)く葬(ほふむ)り奉り給ひける。然(しかる) に後世(こうせい)杜撰(づさん)の僧徒(そうと)。檀林皇后(だんりんかうぐう)九相(きうさう)の図(づ)と号(がう)して図画(とぐわ)に摸(も)し世(よ)に流布(るふ)するは 所謂(いはゆる)絵虚言(ゑそらごと)なり。九相(きうさう)とは人 死(し)して七日々々(なぬか〳〵)に其相(そのさう)変(へん)じ浅猿(あさまし)き姿(すがた)と成(なる)事なり 其(その)名目(めうもく)は 新死(しんし) 肪脹(ばうちよう) 血塗(けつと) 蓬乱(はうらん) 噉食(がんしよく) 青瘀(せいを) 白骨連(はつこつれん)      骨散(こつさん) 古墳(こふん)  以上(いじやう)を九相(きうさう)といふ 嘉祥(かじやう)三年 改元(かいげん)あつて仁寿元年(にんじゆぐわんねん)とし給ふ。然(しかる)に文徳(もんどく)天皇御 性質(せいしつ)御 多病(たびやう)に てしば〳〵御悩(ごのふ)にかゝづらはせ給ふゆへ仁寿(にんじゆ)三年に齊衡(さいかう)と改元(かいげん)あり。齊衡(さいかう)三年 にまた天 安(あん)元年と改元(かいげん)ありけり。抑(そも〳〵)文徳(もんどく)天皇に皇子(みこ)あまた御坐(おはし)ます中にも 第(だい)一の皇子(わうじ)を維高親王(これたかしんわう)と申。御 母(はゝ)は従四 位下(ゐのげ)佐兵衛佐(さへいのすけ)紀名虎(きのなとら)が女(むすめ)にて