Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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ページ: 328

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引付一の宮を太子(たいし)に立(たて)玉ふが順道(じゆんどう)にて候と申もあれば。否々(いな〳〵)一の宮は母(はゝ)卑(いやし)ければ后腹(きさきばら) に御 誕生(たんぜう)ありし四の宮を春宮(とうぐう)に立(たて)給へと奏(そう)するも有(あり)て評議(ひやうぎ)更(さら)に一 決(けつ)せざれば君(きみ) も困(こう)じ果(はて)給ひ。此上(このうへ)は神慮(しんりよ)に任(まか)せて春宮(とうぐう)を定(さだめ)んとて。八幡(やはた)の八幡宮(はちまんぐう)に於(おい)て臨事(りんじ)の祭(まつり) をなさしめ。十 番( ばん)の競馬(けいば)を摧(もよほ)させて。其(その)勝劣(しやうれつ)を以(もつ)て太子を定んと勅詔(ちよくぜう)ありけるに 依(よつ)て勅命(ちよくめい)の如(ごと)く社頭(しやとう)に於(おいて)競馬(けいば)をなしけるに。四番は一の宮方 勝(かち)五番は四の宮方 勝(かち) 今一 番(ばん)は持(じ)にて勝負(しやうぶ)分(わか)たざるを。名虎(なとら)強(しい)て一の宮方の勝(かち)にせんと種々(いろ〳〵)故障(こしやう)を申 立けるゆへ遂(つひ)に勝負(しやうぶ)互角(ごかく)になりける。されば何(いづ)れの皇子(みこ)を春宮(とうぐう)に立給ふべきやう もなく。諸卿(しよけう)また〳〵評議(ひやうぎ)し。此上(このうへ)は禁廷(きんてい)に於(おい)て相撲(すまふ)の節会(せちゑ)を行(おこな)はれ其(その)勝負(しやうぶ) に依(よつ)て儲君(ちよくん)を定(さだめ)給ふべしと奏聞(そうもん)申ければ。帝(みかど)御許容(ごきよよう)在(ましま)しさらば。角觝(すまふ)にて定(さだめ) よと勅詔(ちよくぜう)ある。是(これ)に依(よつ)て定日(ぢようじつ)を極(きは)め。火急(くわきう)に諸国(しよこく)の相撲男(すまふとり)を召上(めしのぼ)し一の宮四の宮方 と分(わか)ち。相撲(すまふ)の関(せき)は維高方(これたかがた)は紀名虎(きのなどら)。維仁方(これひとがた)は伴良雄(とものよしを)とぞ定(さだ)まりける。紀名虎(きのなどら)は