Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

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廻(まは)つて古佐美(こさみ)が旗本(はたもと)へ馬(むま)を躍(おどら)せて撃(うつ)てかゝり。例(れい)の条鉄棒(すじがねばう)を打揮(うちふつ)て人とも馬(むま)とも 嫌(きら)ひなく撃(うち)殺すにぞ古佐美(こさみ)が勢(せい)大いに駭(おどろ)き只(たゞ)一人に打悩(うちなやま)され死亡(しぼ[う])の者 数(かづ)しらず 開(ひら)【鬨は誤記ヵ】き靡(なびい)て乱(みだ)れ立(たつ)古佐美(こさみ)も金窪(かなくぼ)が饒勇(けうゆう)に敵(てき)しがたく馬を拍(うつ)て避(さけ)退(しりぞ)き精兵(せいびやう)の射人(いて) に命(めい)じて矢襖(やぶすま)に射立(いたて)させけれども。兵太(ひやうだ)事(こと)ともせず。錣(しころ)を傾(かたふ)けて尚(なほ)も縦横(じふわう)に蒐廻(かけまは)りて 敵(てき)を打殺(うちころ)す事十七八 騎(き)に及(およ)びけるに。忽(たちま)ち流箭(なかれや)飛来(とびきた)つて兵太(ひやうだ)が咽輪(のどわ)にくつきと立(たつ)大(だい) 事(じ)の手(て)なれば。尋常(よのつね)の者(もの)ならば其侭(そのまゝ)落馬(らくば)すべきに。無双(ぶそう)の剛兵(かうへい)なれば猶(なを)も痓(ひる)まず敵(てき) 軍(ぐん)を滅多打(めつたうち)に撃(うち)廻(まは)る。是(これ)に依(よつ)て京軍(きやうぐん)鬼神(おにかみ)のごとく怖(おそれ)て皆(みな)遠(とふ)く逃散(にげちり)今は手(て)に立(たつ)敵(てき)一 人もなし。茲(こゝ)に於(おい)て兵太(ひやうだ)一息(ひといき)ふと吐(つく)に。矢疵(やきず)の痛(いたみ)堪(たへ)がたければ郎党(らうどう)添川鬼麻太(そへかはきまた)といふ者(もの) に佐(たすけ)られて戦場(せんぢよう)をぞ退(しりぞ)きける。大将(たいせう)如是(かくのごとく)なれば残兵(ざんへい)們(ら)騒(さは)ぎ立(たち)右往左往(うわうざわう)に敗走(はいそう)せり 京方(きやうがた)の二 陣(ぢん)大伴益立(おほともましだち)は遙(はるか)の川下(かはしも)より渡(わたし)て敵(てき)の後(うしろ)より撃(うち)ければ。栗原源三(くりばらげんざう)前後(ぜんご)の敵(てき)に 途(ど)を失(う[し]な)ひ進退(しんたい)究(きはまり)てあはや討(うた)るべく見えけるに。賊方(ぞくがた)二 陣(ぢん)胆沢(いざは)悪(あく)太郎五百 余騎(よき)を