Gallicaの日本資料を翻刻!

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変(かは)り秋(あき)の半(なかば)に諸(もろ〳〵)の草木(さうもく)一 同(どう)に花咲(はなさく)事 前代未聞(ぜんだいみもん)の珍事(ちんじ)なり。此末(このすへ)何(いか)なる世(よ)になり 往(ゆく)らんと私語(さゝやき)合(あひ)けり。帝(みかど)も駭(おどろ)き給ひ。天文博士(てんもんのはかせ)陰陽博士(おんやうのはかせ)等(とう)に考(かんがへ)させ給ふに何方(いづれ) も重(おも)き御 慎(つゝしみ)にて殊(こと)に公卿(こうけい)の中(うち)に凶変(けうへん)の候べしと。勘文(かんもん)を上(たてまつ)りて奏聞(そうもん)しければ主上(しゆぜう) 深(ふか)く怕(おそれ)給ひ宸襟(しんきん)安(やす)からず。諸寺(しよじ)諸社(しよしや)に詔命(みことのり)ありて災変(さいへん)を禳(はらふ)べき加持祈祷(かぢきとう) を修(しゆ)せしめ給ひけり。其中(そのなか)にも睿山(ゑいざん)の法性坊(ほふせうばう)尊意僧正(そんいそうぜう)と申は。智徳(ちとく)兼備(けんひ)の名(めい) 僧にて天台止観(てんだいしくわん)の奥旨(おうし)を究(きはめ)三 学(がく)三 論(ろん)はいふに不及(およばず)一 切諸経(さいしよきやう)の深理(しんり)に通(つう)ぜざる所(ところ) も無(なか)りければ一山(いつさん)の僧徒(そうと)推尊(おしたつと)み。山門(さんもん)の学頭(がくとう)とし。帝(みかど)も深(ふか)く御 信仰(しんかう)在(ましま)し天台座(てんだいざ) 主(す)に任(にん)じ給へば。今度(このたび)第(だい)一 番(ばん)に消災(せうさい)の加持(かぢ)を修(しゆ)すべしとの宣旨(せんじ)を下(くだ)されける。此(この)僧正(そうぜう)は 菅公(かんこう)とは師檀(しだん)の睦(むつ)び深(ふか)く。公(こう)の御 在勤中(ざいきんちう)は互(たがひ)に往反(ゆきかひ)して詩(し)を作(つくり)かはし書籍(しよじやく)の討論(とうろん) など仕合(しあひ)給ひければ。菅公(かんこう)の左遷(させん)【迁は俗字】せられ給ひしを旦夕(あけくれ)歎(なげ)き給ひ何卒(なにとぞ)折(をり)を得(え)ば帝(みかど)を 申 宥(なだ)め菅公(かんこう)の左遷(させん)【迁は俗字】恩免(おんめん)を願(ねが)ひ奉らんと思(おも)ひ給へども讒者(ざんしや)朝廷(てうてい)に充満(みち〳〵)て其(その)