琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

琉球秊代記 附雑話 全 - 翻刻

琉球秊代記 附雑話 全 - ページ 32

ページ: 32

翻刻

【二十七頁右】 たり・又明朝へも貢をいれて・交易することすでに年あり・ いにしへ天孫氏の代のうち・陏(ずいの)【隋の誤りではなく「ずゐ」の音が同じなので仮借として用いているのでは。『大漢和辞典』で「陏」に国名と有り。】煬帝(やうだい)太業(たいぎやう)三年《割書:推古天皇十五|年丁卯にあたる》 よりしてしば〳〵来服(らいふく)すへきよしを申来れとも・あえて したがはさりしかば・同六年陏 の兵舩(へいせん)・數万艘(すまんぞう)・海上(かいしやう)にはかに 陸地(くがち)の如く・蜄𣱛(しんき)【「𣱛」は「氣」の古字】此ところに・乾闥婆城(けんだつばじやう)をはき出せるれと・ あやしまれしほとの大軍・たゝちに首里にせめ入て・王をさし ころし・忠臣(ちうしん)義士(ぎし)・こと〴〵く討死(うちじに)せしよしなりしが・其のち・貴(き) 国(こく)の爲朝公の御子・舜天王より四代をへて・英祖王の時・元(げん)の 至元(しげん)年中・《割書:建武|年中》又もや・軍舩(げんせん)数万(すまん)よせ来たりしが・もはや 我国にても・貴国の武威(ぶゐ)に傳習(でんしう)せしかば・鎮護嚴緊(ちんごげんきん) 【二十七頁左】 にして・やはかあだに上陸はさせずして・追(おい)かえせしかとも・元貞(げんてい)《割書:永仁|の頃》 のはじめまで・しば〳〵海濱(かいひん)をおかされ・一日も安堵(あんど)のおもひを なさゝりしが・つゐにしたがはさりしに・元の代すでにほろ びて・明(みん)の太祖(たいそ)の代となりければ・洪武(こうぶ)のはじめ・行人(こうじん)を使(つかひ) として・とほきをしたしむのこゝろざし・あつかりしかば・ 時の王は舜天王をさること九代にして・察度王とて・賢德(けんとく)いみ じかりしかば・大国によしみなきは・後代のうれひ也とて・ これよりはじめてかの国へも往来し・王の従子(じうし)等(ら)の人々・ 漢學(うちまなび)にも参られしかば・《割書:洪武|廿五》閩といふ所の人・三十六人をたま ものとしておくれり・その子孫今に久米の南門村に居(お)れり