← 前のページ
ページ 269 / 461
次のページ →
翻刻
五 橘(たちはな)氏 妙沖(めうちう)
妙沖は橘の逸勢(まさなり)がいとけきむすめなり承和九
年逸勢つみありて伊 豆(づ)の国にながさるむすめ
わかるゝに忍ひずなく〳〵跡をしたひてゆく
逸勢をぐしてゆく人々しかりてをさへとゞむと
いへどむすめひるはとゞまれるやうにしてよる〳〵【毎夜毎夜】
追(をひ)つきつゝ行て終に父にはなれず逸勢 遠江(とをとふみ)
の国 板築(いたつき)のやどりにつきてみまかりぬむすめ是
をはふむりてやがてその墓(はか)にいほりし尼とさへ