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軽暖(けいだん)の衣につゝまれふかき閨(ねや)におふしたてら
れし身のまだいはけなき【物心がつかない】程に父にとをつ
国にしたかひ父うせければ墓にいほりし
人にそこなはれずけがされず十とせかあいだ
身をまたくして終に父のひつきを負(おひ)て京に
かへり入ける事あやしと云もおろかならずや
その辛苦(しんく)又いくそばく【幾そばく=どれほど】ぞたけきますらお
といふともたやすくはえたふべからずこれに
よりてつら〳〵おもふに人の辛苦にたへざる