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十一 赤穂(あかほ)惣太夫
備前の国 岡(おか)山 紺(こう)屋町のこうかき【紺掻き=紺屋】何がし一とせ妻子
をゐて【率て】播磨(はりま)の国にうつり住て赤穂(あかほ)といふ所にて
死けりその子惣太夫母をやしなふて孝なり妻も
又よくつかふ母の云ところうけしたがはずといふことなし
母つねにいふ備前の岡山はわがふる郷なりねがはく
は汝(なんぢ)夫婦と帰りすまむと惣太夫うけたまはりぬと
て其いとなみし侍れど家きはめてまづしければ
かてをつゝむべきよすがもなくて心ならず過ゆく