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ほどに母ふと旅のよそひしてけふなん岡山に帰ると
いひて出ければ惣太夫夫婦物もとりあへでぞした
がひゆきける母あしたゆげ【弛げ=だるそうなさま】なれば惣太夫おひぬ
ありく時は妻その手をひくくひ物たらざれば
夫婦(ふうふ)はくふまねのみしてくはずたゞ母にのみすゝめ
けりすでにして備前の内かぐと村といふ所につき
てかて絶(たえ)ぬ母も妻もいたうつかれにければすべき
やうあらであたり近き福岡村の実教(じつきやう)寺といふ
寺に入てくひ物こひけりあるじの僧かれがあり