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年の夏父やまひにふしてあざらけき魚(うほ)をねがへり
ふかき山の奥(おく)にしあればもとめ出べきやうあらて
いかゞすへきとおもひわつらひけるに妻ひそかに山をくだ
りて海のほとりをまよひありき人に釣竿(つりざほ)かりて
つりたれければやがて魚こそかゝりにけれ見れば
鯛(たい)と云うほのごとく【濁点の位置の誤記と思われる】にしてその色くろしよろこびて
是をもてかへり喜左衛門にとらせけり喜左衛門すなは
ちてうして【調じて=調理して】父にすゝむ父ねがひみてけりとゑみ
まげてそ悦びけるおのこだに手なれざれは釣え