翻刻
【右丁】
【上段】
風折(かざをり)狩衣(かりぎぬ)之(の)図(づ)【見出し囲み文字】
鷹野(たかの)などに畫(ゑかく)なり
狩衣(かりきぬ)は冬春(ふゆはる)は裏(うら)あり
夏秋(なつあき)はなし紋(もん)さだまりなし
○飛紋(とびもん)を畫(かく)袖結(そでくゝり)あり
四季(しき)ともに一重(ひとゑ)狩衣(かりぎぬ)を用る
事(こと)もありと
○裏(うら)白(しろ)き時は腰帯(こしおび)白し
○こしおびは衣(きぬ)の切(きれ)なりといふ
ともの色(いろ)に仕立(したつ)る
高位(かうゐ)は後(うしろ)の裔(すそ)長(なが)し
○大帷(かたびら)単(ひとへ)などの表(うへ)に着用(ちやくよう)
の事(こと)もあり
○奴袴(さしぬき)ふぢ色 白(しろ)無紋(もんなし)
むらさきうすあい無紋(むもん)
【図に対する注は画像中で翻刻】
【左丁】
吉備大臣(きびだいじん)之(の)像(ざう)《割書:はじめの名は|下道の真備(まび)》【見出し囲み文字】
【上方】
孝霊天皇(こうれいてんわう)第(だい)三 王子(わうじ)稚 武彦命(たけひこのみこと)に
備州(びしう)を賜(たま)ふ其(その)後胤(こういん)真備(まび)元正(げんしやう)
天皇(てんわう)の御宇(ぎよう)霊亀(れいき)二年 公(こう)
学文(がくもん)のために入唐(につたう)して
五 経(きやう)三 史(し)陰陽(おんやう)諸芸(しよげい)
こと〴〵く伝(つたへ)て
帰朝(きてう)し給ふ
又 孝謙(かうけん)
天 皇(わう)天平 勝宝(しやうほう)
二年に遣唐使(けんたうし)と
なる同六年 帰朝(きてう)
加茂氏(かもうじ)の祖(そ)也
又 曰(いわく)聖武天皇(しやうむてんわう)の御宇(ぎよう)日本(につほん)より
大 唐(たう)へ貢物(みつきもの)をおくるに安倍仲麿(あべのなかまろ)
を使(つかひ)とす武帝(ぶてい)貢(みつき)物 微少(ひしやう)也とて
仲麿(なかまろ)をころす其後(そのゝち)又 吉備大臣(きひだいじん)を
【下方左:後ろから五行目より】
使(つかひ)として唐(たう)へつかはさる才智(さいち)を試(こゝろ)
みんために碁(ご)を囲(うた)しむ仲(なか)まろが
霊(れい)来(きたつ)て教(おし)ゆるによつて吉備公(きひこう)是
にかつ又 文選(もんせん)と野馬臺(やばたい)乱文(らんもん)の詩(し)
を読(よま)しむ又 霊鬼(れいき)来(きたり)てこれをおしゆ
【図に対する注は画像中で翻刻】