翻刻
【右丁】
心(こゝろ)を以(もつ)て互(たがい)に融通(ゆづう)せば天(てん)より憐(あはれ)み恵(めぐ)み給ひ
ておのづから五穀(ごこく)も豊熟(ほうじゆく)して飢寒(きかん)の憂(うれへ)なく
万民(ばんみん)ゆたかに衣食居室(いしよくきよしつ)の財用(ざいいよう)もこと〴〵く
たりぬべし乱(みだ)れたる世(よ)の昔(むかし)にかはりめでたく
治(おさま)れる太平の御代(みよ)に生(むま)れあひし難有(ありがた)さ
かぎりなきの冥加(めうが)を知り奉(たてまつ)りて倹約(けんやく)を守り
【左丁】
粗食(そじさ)【「さ」は「き」の誤記ヵ】をいたし己(おのれ)〳〵の道(みち)を勤(つとめ)なば永(なか)く万世(はんせい)の
福(さきはい)を受(うく)るの術(てだて)なるべしと愚(おろか)なる素意(そい)を同(どう)
志(し)の人(ひと)〳〵に勧(すゝむ)ることしかり
因に云先年/菜雑炊(なざうすゐ)の仕法(しほう)とて施印(せいん)ありしをこゝに記(しる)す
白米(こめ)弐合 大麦(むき)壱合 泔水(こめかししる)三升
此中へ菜(な) 大こん ねぶか 里(さと)いも さつまいも
蕪(かぶ) 大こんの干葉(ひば) 芋(いも)ずいき あらめ