翻刻
【右丁】
(22)
【上段 写真】
油ヶ淵
【下段 文】
来対岸の武豊線に依り鉄道輸送の便を
籍りしものは僅に其五分の一に過ぎず
と云ふ、此地海岸の旗亭鶴洲楼には夏
時海水浴の設けあり。
油ヶ淵 新川町の東北端に位する三椏
形の一大湖水にして周囲三里余、昔時
は海に通ぜしが漸く変じて池沼と為る
元禄年間瀦水を衣ヶ浦に放流する為め
水路を開鑿し樋門を設けたり、新川の
名蓋し之より起る、《振り仮名:若夫れ軽舟を僦ふ
|○○○○○○○○》
《振り仮名:て湖心に出づれば瀲灔徐ろに動き碧鏡|○○○○○○○○○○○○○○○○○》
《振り仮名:雲を浸し四顧の風物宛として一幅の画|○○○○○○○○○○○○○○○○○》
【左丁】
【上段 文】
《振り仮名:図に似たり|○○○○○》、地稍僻在すと雖、銷夏の
夜泊、秋光の釣舟共に旅情を慰するに
足らん乎。
天王之森 新川大浜両町に介在す、新
川町停車場より約四町、衣ヶ浦の海浜
にし《振り仮名:て一帯の松林翠緑滴らんとし、白|○○○○○○○○○○○○○ ○》
《振り仮名:砂の長汀遠く銀線を曳くが如し、前に|○○○○○○○○○○○○○○ ○○》
《振り仮名:は知多半島彩画の如く展開して呼べば|○○○○○○○○○○○○○○○○○》
《振り仮名:応へんとし、更に遥に朝熊(伊勢)の連|○○○○○ ○○○○○○ ○○》
《振り仮名:峰を雲烟摸糊の間に望む、砂清く波静|○○○○○○○○○○○ ○○○○○》
《振り仮名:かにして夏季海水浴の好適地たり|○○○○○○○○○○○○○○○》
【下段 写真】
新川河口汐干狩
(23)