翻刻
【右丁】
(24)
【上段 写真】
(一名新須磨)
天王森(海水浴場)
【下段 文】
大浜港駅
新川町駅の南二哩余、本鉄道現在営業
線路の終点なり、是より平坂西尾の方
面には連絡馬車の運行するあり、海岸
よりは連絡汽船ありて知多半島及伊勢
地方との交通至便なり。
[大浜町] 衣ヶ浦の南端に位し地形新
川と酷似する良港なり、往昔は浜奉行
の設けありて幕府の代官来り住む、当
時船舶の往来此附近の第一位を占めた
りと云ふ、戸数千弐百、人口六千五百
【左丁】
【上段 文】
此地工業の最盛んなるものを木綿及味
醂の二者なりとす、木綿(○○)は巨大なる工
場十を以て数ふべく、動力機械を使用
し年々産出する処二百万反を下らず、
価格数拾万円に上れり、味醂(○○)は関東の
流山と並称せらるゝ県下有名の特産に
して一ヶ年の産額五千石に達し、其販
路は啻に内地に止らず遠く清韓、布哇【ハワイ】
及米国加奈陀に至る、就中石川氏の醸
造する九重桜は起原最古く安永年間の
創立にして産額亦最多しと云ふ、其他
角谷氏の辛子漬(○○○)の如き其風味の佳良な
【下段 写真】
大浜港駅(終点)
(25)
【[ ]は矩形で囲み】